MBBをはじめとする戦略コンサルティングファームの人気が近年非常に高くなっています。経営層へのキャリアアップを考える方には、戦略コンサルへの中途入社を狙う方も多いです。
そこで今回は戦略コンサルの働き方から年収まで徹底解剖します!
これを機に少しでも興味のある方は戦略コンサルタントという仕事の理解を深められるので、ご自身の選択肢として考えてみるきっかけになると思います!
目次
戦略コンサルティングファームとは?
そもそも戦略コンサルティングファームとは
『戦略策定を主として企業が顕在的・潜在的にもつ経営上の課題を解決するためのアドバイスを提供するプロフェッショナル企業』
です。特にトップファームは国内外でも屈指の大企業をクライアントとして、コンサルティングを行なっています。
近年では戦略策定のみにとどまらず、組織改革・実行支援など、より実行に近いフェーズにおいてもアドバイスを提供しています。
また、単にアドバイスを提供すると言っても、想像以上に内部まで関わる場合もあります。クライアント先に常駐する場合も多々ありますし、長い案件だと数年に及ぶ場合もあります。
主要戦略コンサルティングファーム
そして、グローバルで特にプレゼンスの高い戦略コンサルティングファームを、各社の頭文字をとってMBBと呼ばれています。それぞれのファームについて解説します。
McKinsey & Company
“ザ・ファーム”と呼ばれ、最も知名度の高い戦略ファーム。1926年にシカゴ大学経営学部教授のジェームズ・O・マッキンゼーらによって設立され、世界130以上の都市で展開されています。同社の特徴は世界中の拠点を「One Firm」と捉え、どの拠点で人を入れ替えてもワークするような育成設計になっています。また、マッキンゼー は人材輩出企業であり、元マッキンゼー 日本支社長である大前研一氏、DeNA創業者の南場智子氏など、数々の著名人を輩出しております。
近年では「オペレーショナル・エクセレンス」を目標に、より実行部門に力を入れており、新卒採用の枠も、他のMBBの採用枠に比べて非常に拡大しております。
Boston Consulting Group
多様性を重視し、様々なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが集まるBCG。1963年に、ブルース・ヘンダーソンらによって設立され、90年以上の都市に展開しています。近年ではデジタル専門の組織「Digital BCG」を設立し、エスタブリッシュな業界にクライアントを持つ戦略コンサルファームの中でも抜きん出てデジタル部門に注力しています。
Bain & Company
クライアントの「真の結果」のみを追求することを信条としている戦略ファームです。1973年にビル・ベインらによって設立され、世界38カ国に63拠点を持っています。また、同社の他の特徴としてはその労働環境の良さです。同社は働きやすい企業トップ50位を従業員の投票によりランク付けしたGlassdoor2022年の「働きやすい企業」において第3位を獲得しています。
戦略コンサルの仕事内容
続いて戦略コンサルの仕事内容についてです!
戦略コンサルの仕事内容は、案件の内容と職位によって異なります。
まずは案件の中でも主なものをご紹介していきます。
案件ごとの違い
- 全社戦略
中期経営計画策定など、戦略策定の中心のような案件です。そのほかにも不採算事業の改善や、新規事業立案など、経営の根幹に関わるような全社的な戦略の構築を求められます。 - M&A戦略、ビジネスデューデリジェンス
企業が他社をM&Aする際に、本当にそのM&Aにはクライアントにメリットがあるのかなどの調査から、統合後の組織体制構築(PMI)などを行います。ビジネスデューデリジェンスとは、買収先のビジネス面での様々な項目の審査のことで、その情報をもとにPEファンドを中心とする買収元の企業は買収先企業を買収するか否かの決定を行います。ちなみに、財務的なデューデリジェンスは外資系投資銀行などが担当します。 - オペレーション戦略
主に業務オペレーションを改善し効率化する戦略策定です。営業効率・生産性などの向上や、コスト圧縮などが具体的な業務となります。
もともと総合系のファームが得意とする分野でしたが、近年ではMckinseyをはじめとする戦略系のファームもオペレーション戦略策定を積極的に行なっています。
続いては職位による違いです。職位により担当する範囲や役割が全く異なってくるので、戦略コンサルへの転職を考える人にとっては、ご自身の適性や、どの職位まで目指したいかなどの参考にしてみましょう!
職位による違い
- アナリスト/アソシエイト
経験年数0〜3年程度の社員が振られるジュニアポジションです。新卒や未経験の中途の方はほぼこの職位から始まります。ミーティングの議事録作成、先輩コンサルタントに同伴してのクライアント先でのインタビュー、市場調査、アンケートの実施など、チームの先輩コンサルタントの指示に従った情報処理・資料作成が主な業務内容となります。 - コンサルタント
経験年数3〜5年程度の社員が振られるミドルポジションです。基本的にはアナリストから昇格してコンサルタントになりますが、海外MBA経験や、事業会社で経営企画の経験が長いとこのコンサルタントからスタートする場合もあります。アナリストよりもより上段の論点を担当し、自らの仮説構築・検証を行います。マネージャーの元で、プロジェクトの実作業の大半を担当します。 - マネージャー
経験年数5年〜10年程度の社員が振られる、管理職ポジションです。実質的なプロジェクトリーダーとして、全体の論点構築、タスクの分配、クライアントとの関係構築、チームディスカッション進行といった、まさにケースリーダーとしての働きをします。 - パートナー
経験年数10年以上の社員が多い、コンサルファームにおけるトップポジションです。パートナーは案件を獲得してくるのが仕事で、様々な営業コンテンツや日頃からの関係構築を行なっています。コンサルティングという事業の共同代表として、売上を作っていくのが使命です。
一般的な事業会社の場合は、職位が若い層が営業を行いますが、コンサルティングファームでは、職位が最も上であるパートナーが営業を行うのが特徴です。
戦略コンサルの職位と年収は?
戦略コンサルの職位ごとの給与水準目安は以下のようになります。
転職する方の場合は、500万〜1500万円の水準が基本的です。またその後昇格してパートナーになった際には、業績次第で給与は大きく上がります。
福利厚生という面では、多くの戦略コンサルファームは家賃補助や残業代というのがない一方で、賃貸住宅を会社名義で契約できます。これにより大きく節税効果が見込めます。
戦略コンサルに転職するメリットは?
戦略コンサルへの転職を悩んでいる方も多いと思います。そんな方のために戦略コンサルに転職した場合の大きなメリットをご紹介します。
メリット1:給与水準が高い
これは先ほども述べましたが、やはり大きな魅力の一つです。外資系コンサルティングファーム・外資系投資銀行などの、所謂プロフェッショナルファームは非常に給与水準が高いです。これは案件に対してアサインされる人数が少人数のため、一人当たりにかけられる人件費が高いからです。パートナーともなれば、年収1億円のオーダーも十分に目指せます。
メリット2:キャリアの幅が広がる
これも多くの人が戦略コンサルに期待するメリットです。戦略コンサルタントはまさしくジェネラリストのため、非常に多くのポジションに転職可能です。具体的にはいわゆるハイキャリアと言われる、PEファンド・企業の経営企画・CXOクラスからのスカウトも多くあります。特にPEファンドなどは特定の業界からしか入社が難しいため、まさしく登竜門と言えます。また近年ではベンチャー企業のCXOクラスに、特にMBBを中心とするトップティア戦略ファームのアルムナイが増えています。また、そのまま戦略コンサルタントとして残りパートナーを目指すことも可能です。
メリット3:まとまった休暇が取れる
ここを気にする方は多くないかもしれませんが、実際に働いている方々は大きな幸福につながっている要因の一つになっています。事業会社の場合は仕事の区切りがつく、ということがなかなかない為まとまった休みを取ることが難しい場合が多いです。一方で戦略コンサルは一つの案件が平均3ヶ月ほどで終わり、次の案件にアサインされる前にまとめて休みをとることが出来ます。海外旅行を含めて長いバケーションを確保することが出来ます。
戦略コンサルにはコンサル未経験でも転職できる?
とはいっても、戦略コンサルにコンサル未経験で転職できるか不安な方も多いかと思います。
結論、コンサル未経験でも十分転職可能です。
未経験の場合、多くはジュニアポジションのアナリスト/アソシエイトからのスタートにはなりますが、採用段階では思考力を主としたポテンシャル採用を行なっています。研修も新卒入社組と同様のものが受講できるので、心配の必要はありません。また近年どの戦略コンサルファームも採用を拡大している為、より間口が広がっています。
前職の仕事内容などはあまり関係ない一方で、学歴などは重視される傾向があります。これは基礎的な思考力と相関があるためフィルターとして用いやすいということや、クライアントにチームメンバーのバックグランドが開示されるという要素が関係しています。可能性が無いわけではないですが、相関は強いと言えます。
逆に学歴や職歴が十分だからといって内定が出るほど容易ではありません。
特にWEBテストやケース面接といった選考は、非常に倍率も高く十分な対策が必要です。
特に中途採用の場合はグループワークなどもない為、コンサルタントとしての素質をケース面接を通して評価します。
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