近年どんどん人気が高まってきているコンサル業界ですが、コンサル業界の中でも戦略、総合、ITなど色々な分類が存在します。
そこで今回はコンサル業界の中でも特に人気のある戦略コンサルと総合コンサルについて、その違いを
- 業務内容
- 年収
- 選考時期
- 選考フロー
の4点から徹底的に解説します!
※今回は新卒での入社を想定しています。中途入社の場合、給与テーブルや選考フローが一部異なる場合がありますのでご注意ください。
では早速見ていきましょう。
目次
業務内容
まずは最も気になる業務内容の違いです。戦略・総合系の業務内容における特徴はそれぞれ以下の通りです。
戦略コンサルティングファーム
- 企業の最上流の意思決定に携わることが多く、大手企業のCxOクラスをカウンターパートとすることが多い。
- 案件内容としては中期経営計画の策定、M&Aにおける事業統合のサポート、新規事業立案など。
- 近年では実行支援やデジタル系の案件も増えており、総合コンサルの事業領域に進出してきているファームもある。
- 採用の門戸が狭く、少数精鋭のチームで案件をこなしていくことが多い。
総合コンサルティングファーム
- 戦略立案のような上流フェーズからITを中心としたシステム構築・運用などの実行支援まで、幅広い総合的なサポートを提供している。
- ファンクション(機能)やインダストリー(業界)別に特化した専門コンサルタントがチームをつくって対応する。
- アクセンチュアストラテジー、EYパルテノン、Strategy&(PwC)のように戦略に特化したチームを持つファームもある。
- 日本法人だけで数百〜数千名の社員を抱える大規模なファームが多い。
年収
戦略コンサルと総合コンサルでは給与テーブルにも差があります。
ファームによって前後はありますが、目安としては以下が戦略・総合コンサルの給与テーブルになっています。
戦略・総合ともに総合商社やメーカーなどの他業界に比べて若手であっても高い収入を得ることが可能であることが伺えます。
また、採用人数が少なく、入社難易度が高いということもあり、いずれの職位においても戦略コンサルの方が総合コンサルよりも平均年収が高い傾向にあります。
選考時期
次は選考時期の違いです。選考時期の早期化が進んでいるコンサル業界ですが、戦略と総合では少し差があります。
それぞれの対策時期・選考時期のスケジュール感をカレンダーに沿って見てみましょう。
戦略コンサルティングファーム
- 対策時期
- 選考開始が早いため、年明けの1月~3月あたりから対策を開始する必要がある。
- 対策におけるケース面接のウェイトが大きいため、早い段階からケース面接の対策を継続して行う。
- 内定までにJOBが必須のため、JOBの対策にも力を入れる。
- 選考時期
- 基本的には夏選考と冬選考の2回エントリーのタイミングがあるが、春選考を行っているファームや夏選考のみ行っているファーム、夏選考前に超早期選考を行なっているファームもある。
- 春選考は年によって行われる場合と行なわれない場合があるが、比較的オファー数が少ない傾向にあり、JOBがなくES→筆記→面接のみのファームもある。
- 過去に春選考を行なったことのあるファーム
McKinsey/BCG/Bain/A.T.Kearney(ニューノーマル採用)/Roland Berger - 夏選考のみ行なっているファーム
Accenture Strategy/DI/CDI/IGPI
総合コンサルティングファーム
- 対策時期
- 戦略コンサルほどではないが、他業界に比べると比較的選考開始が早く、早期内定を狙って4月~5月あたりから対策を開始する人が多い。
- 面接でESの内容を深掘られることもあるため、しっかり時間をかけて対策をする。
- 選考でケース面接が課されるため、早めからの対策が必要になる。
- 選考時期
- 戦略コンサルと異なり、内定までにインターンは参加必須ではないが、インターンでのパフォーマンスが高いと、早期内定の本選考優遇ルート案内がくる場合がある。
- インターンを経由せず、本選考からのエントリーも可能だが、インターン経由よりも内定時期が遅く、年明けの2~4月頃に内定が出る。
(参考記事)コンサルで出題されるケース面接の対策方法を完全解説!
選考フロー
一般的な選考フローに関する違いは以下の通りです。
▼中途の方向け戦略コンサル転職に関する選考フローの解説記事はこちら▼
【戦コン転職】戦略コンサルの選考フローから対策方法まで詳しく解説
ES→Webテスト→面接→インターンという流れは同じですが、各選考における特徴が少し異なってきます。
ES
戦略コンサルのESは文字数も200~300文字と少なく、通過率も非常に高いため、ここで落ちる人はほとんどいません。
総合コンサルも他業界に比べて通過率は高いですが、文字数が少し多く300~600文字程度であることが一般的です。また、ESで記述した内容がのちの人物面接で深掘られることもあるため、しっかり準備しておきましょう。
戦略コンサル・総合コンサルともにESのお題は志望動機やガクチカ、強みなど一般的な質問がほとんどですが、後述のように、A.T.Kearneyでは毎年少し変わったお題が出題されています。
▼ESの設問例(一部)▼
【戦略コンサル】
McKinsey
・ これまでの勤務経験・活動の中で、特にリーダーシップを発揮した経験と、その際のあなたの役割をご記入ください。(100字以内) ・ マッキンゼーのコンサルタントを志望する理由について記入してください。(200字以内) ・ 長期キャリア目標(10年程度先の将来でやりたい事)について記入してください。(200字以内)
BCG
・ 学業以外に力を入れていたことについてご記入下さい。(趣味、スポーツ、サークル活動等)(100文字以内) ・ 今までの人生の中で成し遂げたことで、人に話したいことは何ですか?(200文字以内) ・ 一生のうちに必ず成し遂げたい夢は何ですか?(200文字以内)
Bain
・ あなたが目標として思い描く5年後の御自身の姿、及びそれを実現する過程で、戦略コンサルティングに興味を持ち志望した理由を教えてください。(200文字以下) ・ あなたがご自身の強みを生かして問題を解決し、成果を出された経験を説明してください。(200文字以下)
A.T.Kearney
あなたの友人が、脱サラして東京都内に“のらぼう”(のらぼう菜:多摩地方を中心に栽培される野菜)専門の飲食店を開店しようとしています。 友人は、“のらぼう”が、あまり世間に浸透していないことを懸念して、若者に受ける別名を付けようと考え、 “のらぼう”を「多摩の暴れん坊」と名付けて売りだそうとしています。 戦略コンサルタントであるあなたは、友人のネーミングセンスに絶望し、あなたなりのアイデアを提供することにしました。 【問い】 アボカドの「森のバター」や、タコの「悪魔の魚」といった別名のように、“のらぼう”に、若者に浸透するような別名を付けてください。また、その別名を付けた理由もお答えください。 回答は1,000字以内とします。(文字の多寡は一切問いません)。
※KearneyのESは特殊なお題が出されることで有名ですが、実は公式のES解説/公表がHPに記載されています(参考リンク)。何を書くべきか・どう書くべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
【総合コンサル】
Deloitte Tohmatsu Consulting
・ インターン志望動機を教えてください。(250文字以内) ・ 学生時代に頑張ったことを教えてください(250文字以内) ・ 自分の長所・短所についてエピソードをまじえて教えてください。(250文字以内) ・ 困難を乗り越えた経験を教えてください。またそこから何を学びましたか?(250文字以内)
PwC Consulting
・ あなたのこれまでの人生の中で、最大のチャレンジについて教えてください。(文字数自由)
EY Strategy & Consulting
・ コンサルティング業界、またはEYに興味を持った理由について記述してください(400字以内) ・ 大学/大学院での専攻、及び過去の経験を元に、EYSC(EYストラテジー&コンサルティング)でどのような貢献ができるか記述してください(400字以内) ・ あなたのキャラクターがよくわかる過去のエピソードについて記述してください(400字以内)
KPMG
・ コンサルティング業界を志望する理由をご記入ください。(400文字以内) ・ KPMGコンサルティングを志望する理由をご記入下さい。(400文字以内) ・ 自己PRを自由にご記入ください(何かご自身で、やり遂げた経験を具体的に記入してください)。(400文字以内)
Webテスト
戦略・総合コンサルともに非常にボーダーが高く、通過難易度が高いフェーズです。
戦略コンサルではSPIや玉手箱のような一般的なテストを課すファームもありますが、一部のファームでは独自のオリジナルテストを採用している企業も存在します。
総合コンサルは戦略コンサルほどボーダーは高くないですが、他業界に比べるとやはり通過難易度は高いです。SPI、玉手箱、TG-WEBのような一般的なテストを課すファームがほとんどです。
各ファームのWebテスト形式を表にまとめました。
【戦略コンサル】
【総合コンサル】
面接
戦略コンサルと総合コンサルで大きく異なってくる部分です。
戦略コンサルでは複数回に渡って課される面接のほとんどがケース面接である場合が多く、人物面接は最終面接程度でしか課されないファームが多いです。
また、ケース面接に関してもディスカッションのレベルがかなり高く、面接の通過難易度としては全業界の中で最高クラスと言えるでしょう。
戦略コンサルを目指す方のほとんどは対策のウェイトをここに置くことが多いです。早めの段階からしっかり対策をして臨みましょう。
各ファームがHP上に掲載しているケース面接の公式見解を読むこともおすすめです。
【戦略コンサルのケース面接出題例】
- ファミレスチェーンの売上向上施策
- クリーニング店1店舗の売上向上施策
- 家電量販店の成長戦略
▼各ファームが出しているケース面接に対する公式見解▼
【McKinsey】Electro-Light | Careers | McKinsey & Company
【BCG】面接プロセス&準備 | 模擬ケース | BCGでのキャリア
【Bain】ケース・インタビュー | Bain & Company
【A.T.Kearney】ケースインタビュー – Japan – Kearney
一方、総合コンサルでは(ファームによって多少比率は変わりますが)、ケース面接と人物面接が1:1程度の比率で課されます。
戦略コンサルほどケース面接の通過難易度は高くない一方、ケースが最も求職者間で差がつきやすいのは事実です。事前に書籍や内定者・社員との壁打ちで対策をしておくのが良いでしょう。
また、総合コンサルではビジネスケースだけでなくパブリック(公共系)ケースも出題されやすいため、事前に対策しておく必要があります。
志望動機や経歴を問う人物面接も課されますが、他業界に比べて特徴的なのは、人物面接の受け答えにおいても『論理性』が非常に重視されることです。
人物面接ではエントリーシートの内容について深掘られることも多いため、 ESの段階から論理性を重視した構成を意識しましょう。
【総合コンサルのケース面接出題例】
- 映画館の売上向上施策
- オンライン教育の是非
- 地方を復興させるには?
▼フェルミ推定・ケース面接の対策記事はこちら▼
【戦略コンサル頻出】フェルミ推定の概要から解法まで例題を用いて完全図解!
【図解解説】 コンサル頻出のケース面接の概要から評価ポイントまで詳しく解説
【MBB内定者の解説付き】戦略コンサルの面接で出題されるケース面接の厳選問題集 〜基礎編〜
【全34問】戦略コンサルの面接で出題されるケース面接の厳選問題集 〜発展編〜
【図解での解説付き】ケース面接の厳選問題集 〜パブリック編〜
インターン(JOB)
新卒では戦略・総合コンサルともにインターンを開催していることが一般的ですが、選考におけるインターンの扱いも戦略と総合でやや異なります。
戦略コンサルでは基本的にインターンが選考要素として含まれており、内定までに参加必須であることがほとんどです。インターンでのパフォーマンスが高かった学生のみ最終面接に案内されます。
一方、総合コンサルではインターンは選考要素として含まれている一方、内定のために必ずしも参加しなければならないという訳ではなく、本選考からの応募も可能です。
ただし、もちろんインターンで優秀なパフォーマンスを発揮すると、優遇ルートの案内がされる場合があるので、参加した方が有利と言えるでしょう。
コンサルに入社するには?
本記事では、戦略コンサル・総合コンサルの違いについて解説しました。
戦略・総合コンサルともにに魅力的な業界である一方、入社難易度は非常に高いです。
非常に倍率の高い選考フローの中で、特に重要かつ対策が必要なのがケース面接です。
しかし、周りにそのような知人がおらず、なかなか対策が難しい、と思っていらっしゃる方も多いかと思います。
そこでReverseでは、マンツーマンで行うケース対策サービスをご提供しております。
ケース面接対策を通してトップティアの戦略コンサルティングファーム入社を目指すのは勿論、その後の経営層への基礎思考力育成を目指しております。
期間限定で、
米系トップティア戦略ファームメンターによる初回カウンセリングが無料
でお試しいただけるので、気になる方はぜひページ上部のサービス紹介ページ、または公式LINEよりお問い合わせください。
また、現在公式LINE追加してくれた方全員に『解説ポイント付きケース問題集』を配布しております。もちろん公式LINE追加は無料ですので、ぜひご登録下さい。