外資系戦略コンサルや外資系投資銀行を中心として、近年では総合商社といった日系の選考でも出題されるようになったケース面接。本記事では、Reverse会員限定で開講していたケース面接の講座を完全書き起こしします!この記事を読めば、ケース面接の基礎を完全にマスターできます!
本記事ではケース面接の概要と流れについて述べていこうと思います!この記事を読むことで、ケース面接とは何か?どういう風に進んでいくのか?を理解しましょう!
目次
ケース面接とは
ケース面接とは主に問題解決(Problem Solving、以下プロソル)の能力を見るためのケーススタディを課す面接のことです。
ケース面接では面接官から『スターバックスの売上向上施策を考えてください』のようなお題を出題され、この問題に対して受験者は面接官とディスカッションをしながら論理的に解答を導き出していきます。
かつては戦略・総合コンサル業界や外資系投資銀行のIBD部門でしか課されていなかったケース面接ですが、近年では外資系消費財メーカーのマーケ職や総合商社でも出題されるようになってきています。どの業界においてもプロソルの能力を持った人材が求められるようになっていると言っても過言ではないでしょう。
外資系投資銀行や総合商社では1度だけ課されるのに対し、コンサルではオファーまでに複数回のケース面接を課すことがほとんどです。
新卒に関してはインターン前の面接だけでなく、インターン後のパートナー面接でケース問題が出題されることも珍しくありません。
今回の記事では詳しく触れませんが、ケース面接で重要な項目は主に以下の2つです。
- 思考力:問題解決能力が高いか
- コミュニケーション能力:チームで働く上での協業力が高いか
ケース面接のポイントについては最後に紹介する記事で詳しく解説しているので、そちらをご覧ください。
ケース面接の流れ
一般的なケース面接は以下のような流れで進んでいきます。
この章では各フェーズについて、その概要とポイントを解説していきます。
アイスブレイク
面接官によってはケースに入る前にアイスブレイクを挟む場合があります。(もちろん面接開始後すぐにケースに入る場合もあります。)
自己紹介や志望動機を聞かれることがほとんどですが、前回の面接の感想などが聞かれることもあるので、事前に考えておくと良いでしょう。
お題発表
アイスブレイクが終わると、面接官から口頭でお題が発表されます。
問題設定が長い場合もあるので、一字一句聞き逃さないようにしっかりとメモを取りましょう。
お題に対して、言葉の定義や前提についての質問があればここで面接官に聞くことができます。疑問がある場合はここで解消しておきましょう。
思考時間
お題の発表後、面接官から解答を考える時間が与えられます。
この時間を使って自分の考えをまとめましょう。
与えられる時間はファームや面接官によって異なりますが、戦略コンサルでは1分〜5分あるいはノータイム(いきなりディスカッションから始まる)、総合コンサルや総合商社などでは3分〜5分程度が一般的です。
基本的にトップファームになったり、面接の次数が上がるほど与えられる時間は短くなる傾向にあると考えて良いでしょう。
発表
思考時間の中で自分が考えたことを面接官に共有します。
発表には制限時間がないことがほとんどですが、説明が長くなりすぎないようには注意しましょう。
ディスカッション
ケース面接のメインフェーズです。
受験者が出した解答をベースとして、面接官と建設的なディスカッションをしていく中でアウトプットを修正、深掘りしていきます。
思考時間を取って考える場合と異なり、思考の瞬発力やコミュニケーション能力が重要になってきます。
次数の高い面接ほど、ディスカッションに対する比重が重くなります。
お題の種類
ケース面接で出されるお題は『ビジネス系』『パブリック系』『抽象系』の3種類に大別されます。
各ジャンルの概要・例題・ポイントは以下の通りです。
ケース面接のポイント
ケース面接で重要なポイントはたくさんありますが、大きく分けると『思考力』と『コミュニケーション能力』の2つがあります。
まずは思考力です。これは『コンサルタントとしての能力があるか?(=職業に対する適性)』を測るために見ています。コンサルタントは問題解決のプロフェッショナルですから、問題を解くために必要となる思考力が最も重要となってきます。
次にコミュニケーション能力です。こちらは『一緒にチームとして働きたいか?』ということです。プロジェクトごとに少人数のチームで仕事を進めていくコンサルワークではコミュニケーション能力が欠かせません。ここで言う『コミュニケーション能力』というのは、『飲み会で場を回すのが上手い』とか『人見知りしない』といった世間一般的な『コミュ力』と呼ばれるものではなく、『仕事を進めていくために相手と円滑に意思疎通を取る能力』のことです。
ここからはこれら2つの能力について、より細分化したポイントをお伝えしていきます!
思考力
思考力は細分化すると思考の『深さ』『広さ』『速さ』に分けられます。
3つの項目について詳しく見ていきましょう。
思考の深さ
思考の深さでは物事の原因や解決策を深掘って考えられるかが重要になります。特に課題を特定するにあたって『なぜ?』を繰り返すことで、表層的な課題ではなく潜在的な真因まで考え、そのお題ならではのインサイト(=本質的課題)を出せているかがポイントになります。
思考の広さ
思考の広さでは課題や解決策に対して、考えられるものを幅広く洗い出せるかが重要になります。ケース面接ではよく『他には?』と質問される場合がありますが、ここで幅出し能力が問われています。
思考の速さ
思考の速さとは一般的に『頭の回転の速さ』と呼ばれるものに近く、上で示した『深掘り』と『幅出し』をいかに素早く行えるかがポイントになります。ケース面接では特にディスカッションのフェーズでこの能力が重要なポイントとなります。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は細分化すると『伝える能力』と『咀嚼する能力』の2つに分けられます。各項目について詳しく見ていきましょう。
伝える能力
『伝える能力』とは、受験者→面接官という方向のコミュニケーションで重要になります。
特に大事になるのは以下の3点です。
- Answer Firstで話せているか
Answer Firstとは質問に対して結論を先に話すことで、『結論ファースト』とも言われます。全体の議論の中でのAnswer Firstだけでなく、ディスカッションの質疑応答でもAnswer Firstが重要です。まずは『自分の言いたいこと(メインメッセージ)』を先に伝え、その後に根拠や詳細、具体例を伝えることを意識しましょう。
- 構造を把握し、具体と抽象の行き来ができているいるか
頭の中でツリーを思い描きながら構造的に話すことを心がけましょう。よくある失敗例が、言いたいメッセージを構造化せずに話してしまい、内容の粒度感がバラバラになってしまうケースです。まずは言いたいことを構造的に整理しましょう。
- 簡潔に話せているか
これは上記2つのポイントとも関連しますが、メッセージは短く簡潔に伝えることを心がけましょう。考えていることを思いつくまま五月雨式に話してしまうと、具体的な話が多くなりがちです。結果として話が長くなり、聞き手が理解しづらくなってしまうので注意しましょう。
『伝える能力』における上級者と初級者の差は『整理してから話す』か『話しながら整理する』かの違いです。考えたことを話し始める前に、ワンクッション置いて自分の中で構造的に整理する癖をつけましょう。
咀嚼する能力
『咀嚼する能力』は伝える能力とは逆方向、すなわち面接官→受験者というコミュニケーションで重要となる能力です。ポイントとしては下記の3点です。
- 質問の意図を把握できているか
面接官がする質問の背景には『求めている答え』や『面接官なりの仮説』があります。議論を俯瞰的に見て、『面接官はなぜこの質問をしているのか?』を考えましょう。質問の意図を全く考えずに『質問の答えになっていない回答』をしてしまわないように注意しましょう。
- 相手の意見を柔軟に受け入れることができるか
ケース面接はディスカッションですから、もちろん面接官と自分の間で意見が食い違うことはたくさんあります。そこで相手の意見を柔軟に取り入れて自分の意見をブラッシュアップできるかが重要になります。自分の意見に固執して面接官を論破しようとしてしまうのがよくある失敗例です。面接官は味方ですから、建設的な議論を心がけましょう。
- 自分と相手の仮説の齟齬を把握できるか
相手と意見が食い違うということは、お互いの持つ仮説に齟齬があると言えます。『自分と面接官の仮説に齟齬があるのはなぜなのか?』を考えることが建設的な議論をするポイントになります。
本記事ではケース面接の概要と評価ポイントについて詳しく解説致しました。
実際にケース面接の解法については下の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧下さい。
【図解解説付き】ケース面接の解法ステップとポイントを例題を用いて分かりやすく解説
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